第110回薬剤師国家試験 問48 肝固有クリアランスが小さい場合の近似式

問48

ある薬物の肝固有クリアランス(CLint)が肝血流量(Qh)と比較して十分に小さい場合、
その薬物の肝クリアランスはどのように近似できるか。1つ選べ。
ただし、fu は血漿タンパク非結合形分率とする。

1 Qh
2 CLint
3 fu・Qh
4 fu・CLint
5 CLint / fu

解答・解説

■ 正解

4 fu・CLint

■ 解説

● 肝クリアランスの基本式(ウェル・ステアードモデル)

肝クリアランス(CLh)は以下で表される:

 CLh = Qh × (fu × CLint) / (Qh + fu × CLint)

ここで、
CLint ≪ Qh(肝固有クリアランスが非常に小さい)
という条件では、

 Qh + fu × CLint ≈ Qh

と近似できる。


● 近似式の導出

CLh ≈ Qh × (fu × CLint) / Qh
CLh ≈ fu × CLint

つまり、
肝固有クリアランスが小さい薬物 → 肝クリアランスは fu × CLint に支配される(容量制限型)


■ 選択肢ごとの解説

1 Qh:誤り
CLint が十分大きい場合(血流依存型)に近似される値。

2 CLint:誤り
非結合形分率 fu を無視しており不適切。

3 fu・Qh:誤り
血流依存型の式ではない。

4 fu・CLint:正しい
CLint が小さいときの近似式。

5 CLint / fu:誤り
逆の関係であり、肝クリアランスの式とは一致しない。


■ ポイント整理

  • CLint ≪ Qh → 容量制限型(低抽出率薬物)
  • 肝クリアランスは fu × CLint によって決まる
  • fu(非結合形分率)が上がると CLh も上昇
  • 高抽出率薬物(CLint ≫ Qh)は CLh ≈ Qh(血流依存型)

■ 関連知識

低抽出率薬物は肝血流量の影響を受けにくく、蛋白結合や酵素活性の影響を受けやすい

低抽出率薬物:ワルファリン、フェニトイン、テオフィリンなど

高抽出率薬物:プロプラノロール、モルヒネ、リドカイン

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