第110回薬剤師国家試験 問63 慢性甲状腺炎の検査所見

問63
慢性甲状腺炎の検査所見で陽性になるのはどれか。1つ選べ。

1 抗ペルオキシダーゼ抗体
2 抗甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体
3 抗グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体
4 抗アセチルコリン受容体抗体
5 抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体

解答・解説

正解:1

解説

●ポイント1:慢性甲状腺炎(橋本病)の特徴

慢性甲状腺炎(橋本病)は、
甲状腺に対する自己免疫反応により甲状腺機能低下をきたす疾患。

代表的な自己抗体は

  • 抗ペルオキシダーゼ(TPO)抗体
  • 抗サイログロブリン抗体

特に 抗TPO抗体が高頻度で陽性となる。

●ポイント2:抗TPO抗体が陽性になる理由

TPO(甲状腺ペルオキシダーゼ)は、
甲状腺ホルモン合成に必須の酵素。

自己免疫により TPO が標的となり、
抗TPO抗体が産生 → 慢性炎症 → 甲状腺機能低下
という流れで病態が進む。

●ポイント3:他の選択肢は別疾患の自己抗体

選択肢の多くは、他の自己免疫疾患のマーカーであり、
慢性甲状腺炎とは無関係。

選択肢ごとの解説

1 抗ペルオキシダーゼ抗体:正
慢性甲状腺炎(橋本病)で高頻度に陽性となる代表的自己抗体。

2 抗TSH受容体抗体:誤
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)で陽性。

3 抗GAD抗体:誤
1型糖尿病や自己免疫性神経疾患で陽性。

4 抗アセチルコリン受容体抗体:誤
重症筋無力症で陽性。

5 抗CCP抗体:誤
関節リウマチの高特異度マーカー。

ポイント整理

  • 慢性甲状腺炎(橋本病)=抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体が陽性
  • 抗TSH受容体抗体はバセドウ病
  • 抗GAD抗体は1型糖尿病
  • 抗AChR抗体は重症筋無力症
  • 抗CCP抗体は関節リウマチ

関連知識

類似問題:甲状腺疾患の自己抗体の鑑別

橋本病の症状:倦怠感、寒がり、体重増加、便秘、むくみ

甲状腺機能低下症の治療:レボチロキシン

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