問4
スピン量子数が 1/2 である原子核が外部磁場の中に置かれると、そのエネルギーが 2 つのエネルギー準位に分かれることを表しているのはどれか。1つ選べ。
1 化学シフト
2 McLafferty(マクラファティー)転位
3 ラジカル開裂
4 超微細分裂
5 ゼーマン分裂
解答・解説
■ 解答
5 ゼーマン分裂
■ 解説
スピン量子数が 1/2 の原子核(¹H や ¹³C など)は、外部磁場がないときには 1 つのエネルギー状態しか持ちません。
しかし、外部磁場をかけるとスピンの向きによってエネルギーが変化し、2 つのエネルギー準位に分かれます。
- 磁場と同じ向きのスピン → 低エネルギー
- 磁場と反対向きのスピン → 高エネルギー
このように、外部磁場によってエネルギー準位が分裂する現象を ゼーマン分裂(Zeeman splitting) といいます。
NMR(核磁気共鳴)は、この 2 つのエネルギー準位の差に相当する電磁波(ラジオ波)を吸収することでシグナルが観測される解析法です。
つまり、ゼーマン分裂が起こることで NMR 測定が可能になるという関係になっています。
■ 選択肢のポイント解説
1 化学シフト(誤)
核の周囲の電子環境の違いによって共鳴位置が変化する現象。
NMR のピーク位置を示す指標であり、エネルギー準位の「2分裂」とは別の概念。
2 McLafferty(マクラファティー)転位(誤)
質量分析(MS)で見られる特有の開裂反応。
カルボニル化合物の γ位の水素が関与する反応で、NMR のスピン分裂とは無関係。
3 ラジカル開裂(誤)
分子が均等開裂してラジカルを生じる反応。
主に MS や反応機構の文脈で扱われ、磁場によるエネルギー準位の分裂とは関係しない。
4 超微細分裂(誤)
電子スピンと原子核スピンの相互作用によってエネルギー準位が細かく分かれる現象。
主に ESR(電子スピン共鳴)で扱われ、NMR の基本的な 2分裂とは異なる。
5 ゼーマン分裂(正)
外部磁場によってスピン状態が 2 つのエネルギー準位に分かれる現象。
本問の記述に最も適合する。
