第110回薬剤師国家試験 問96 アンモニア水の希釈と pH 計算

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■ 正解

4(100 mL)

■ 解説

● ポイント1:pH 11 → [OH⁻] の計算

pH = 11 より、

pOH = 14 − 11 = 3
[OH⁻] = 10⁻³ mol/L

最終溶液(1000 mL)中の OH⁻ 濃度が 10⁻³ mol/L であることが分かる。

● ポイント2:弱塩基 NH₃ の平衡式から [NH₃] を求める

アンモニアの塩基解離:

NH₃ + H₂O ⇄ NH₄⁺ + OH⁻

塩基解離定数:

K_b = [NH₄⁺][OH⁻] / [NH₃] = 1.7×10⁻⁵

[OH⁻] = 10⁻³ mol/L より、[NH₄⁺] ≈ 10⁻³ mol/L と近似できる。

[NH₃] = (10⁻³ × 10⁻³) / (1.7×10⁻⁵) = 10⁻⁶ / 1.7×10⁻⁵ ≈ 0.059 mol/L

よって、最終溶液 1000 mL に必要な NH₃ は:

0.059 mol

● ポイント3:元の 28%アンモニア水の量を逆算

28%アンモニア水の密度:0.90 g/mL 質量 1 mL あたりの NH₃ 量:

0.90 g × 0.28 = 0.252 g
モル数:0.252 g / 17 = 0.0148 mol/mL

500 mL に希釈する前の採取量を x mL とすると、 その中の NH₃ モル数は:

0.0148 × x mol

これを 500 mL → 20 mL → 1000 mL と希釈しているため、 最終溶液に入る割合は:

(20 / 500) = 1/25

したがって、最終溶液中の NH₃ モル数は:

0.0148 × x × (1/25)

これが 0.059 mol に等しい:

0.0148 × x / 25 = 0.059
x ≈ 100 mL

よって、最も近い選択肢は 4(100 mL)。

■ 選択肢ごとの解説

1:誤り。10 mL では最終濃度が不足し、pH 11 にはならない。

2:誤り。20 mL でも OH⁻ 濃度が不足する。

3:誤り。50 mL でも計算上 pH 11 に届かない。

4:正しい。計算上、約 100 mL が必要となる。

5:誤り。200 mL では NH₃ が過剰となり、pH は 11 を超える。

■ ポイント整理

  • pH 11 → [OH⁻] = 10⁻³ mol/L
  • NH₃ の平衡式から [NH₃] を逆算
  • 希釈倍率(500 → 20 → 1000 mL)を正しく考慮
  • 28%アンモニア水のモル濃度を計算
  • 最終的に約 100 mL が必要

■ 関連知識

  • 弱塩基の平衡計算(K_b)
  • 希釈計算(多段階希釈)
  • 質量パーセント濃度 → モル濃度変換

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