第110回薬剤師国家試験 問97 アミドトリゾ酸の芳香族第一アミン試験 問98 アミドトリゾ酸の定量法(銀滴定)

問97 純度試験の操作を行って得られる芳香族第一アミンの許容限度に最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、芳香族第一アミンの本操作による呈色物の比吸光度 E1%1cm(485 nm)は 475、層長は 1 cm とする。

1 0.040%
2 0.079%
3 0.16%
4 0.79%
5 1.58%

解答・解説を見る(問97)

■ 正解

2(0.079%)

■ 解説

● ポイント1:比吸光度 E1%1cm の意味

比吸光度 E1%1cm=475 とは、
「濃度 1%(1 g/100 mL)の溶液を層長 1 cm で測定したときの吸光度が 475」であることを意味する。

一般に、

A = E1%1cm × c(%)× l(cm)

と表される(A:吸光度、c:%濃度、l:層長)。

● ポイント2:試験液中の芳香族第一アミン量を求める

問題文より、試験液の吸光度の上限は 0.15 である。
層長 l=1 cm、E1%1cm=475 より、

0.15 = 475 × c × 1 → c = 0.15 / 475 ≒ 3.16×10⁻⁴ %

これは「試験液中の芳香族第一アミンの%濃度」である。

試験液は 50 mL であり、そこに含まれる芳香族第一アミンの質量 m(g)は:

c(%)=(m / 50 mL)×100 mL → m ≒ 0.000158 g

● ポイント3:原料 0.20 g 中の%に換算

もともと秤量した試料は 0.20 g であり、その中に芳香族第一アミンが 0.000158 g 含まれているとすると、

% =(0.000158 / 0.20)×100 ≒ 0.079%

したがって、選択肢の中では 2(0.079%)が最も近い。

■ 選択肢ごとの解説

1:小さすぎる値であり、計算結果と一致しない。

2:計算結果(約 0.079%)と一致し、正しい。

3:約 0.16%は計算値の約2倍であり不適切。

4:0.79%は1桁大きく、許容限度として過大。

5:1.58%も同様に過大であり不適切。

■ ポイント整理

  • 比吸光度 E1%1cm から濃度を求める:A=E×c×l
  • 試験液中の%濃度 → 質量 → 原料中の%へ換算
  • 計算結果より許容限度は約 0.079%

問98 定量法に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。

1 本定量法の原理は、Volhard法に基づいている。
2 下線部アの標準液は、0.1 mol/Lチオシアン酸アンモニウム液の標定に用いられる。
3 下線部イの指示薬の代わりにフルオレセインナトリウムを用いることができる。
4 ウに入る色は、橙色である。
5 エに入る数字は、20.46である。

解答・解説を見る(問98)

■ 正解

2、5

■ 解説

● ポイント1:定量法の原理

本文の定量法では、アミドトリゾ酸を還元してヨウ化物イオン(I⁻)とし、これを 0.1 mol/L 硝酸銀液で滴定する。
指示薬としてテトラブロモフェノールブルークレインエチルエステルを用いることから、Fajans法(吸着指示薬を用いる沈殿滴定) に分類される。

したがって、「Volhard法に基づいている」とする選択肢1は誤りである。

● ポイント2:標準液とチオシアン酸アンモニウム液(選択肢2)

0.1 mol/L 硝酸銀液は、一般に 0.1 mol/L チオシアン酸アンモニウム液の標定に用いられる(Volhard法における逆滴定など)。
設問中の「下線部アの標準液」は、この 0.1 mol/L 硝酸銀液を指し、
「0.1 mol/Lチオシアン酸アンモニウム液の標定に用いられる」 という記述は正しい。

● ポイント3:指示薬と色の変化(選択肢3・4)

本定量法で用いる指示薬は、テトラブロモフェノールブルークレインエチルエステルであり、
フルオレセインナトリウムとは異なる。したがって、選択肢3は誤り。

また、終点での色は「黄色から青色(または青緑色)」への変化であり、
「ウに入る色は橙色」とする選択肢4も誤りである。

● ポイント4:換算係数 E(選択肢5)

0.1 mol/L 硝酸銀液 1 mL に相当するアミドトリゾ酸の質量 E は、
計算により約 20.46 mg となるため、
「エに入る数字は 20.46 である」 とする選択肢5は正しい。

■ 選択肢ごとの解説

1:誤り。本法は Fajans法に分類され、Volhard法ではない。

2:正しい。0.1 mol/L 硝酸銀液は 0.1 mol/L チオシアン酸アンモニウム液の標定に用いられる。

3:誤り。指示薬はフルオレセインナトリウムではなく、テトラブロモフェノールブルークレインエチルエステルである。

4:誤り。終点の色は橙色ではなく、黄色から青色系への変化である。

5:正しい。E=20.46 mg とされる。

■ ポイント整理

  • 本定量法は Fajans法(吸着指示薬を用いる沈殿滴定)
  • 0.1 mol/L 硝酸銀液は 0.1 mol/L チオシアン酸アンモニウム液の標定に用いられる
  • 指示薬はテトラブロモフェノールブルークレインエチルエステル
  • 終点の色は橙色ではない
  • 換算係数 E は 20.46 mg

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