

解答・解説を見る
■ 正解
1, 2
■ 解説
本問題は、日本薬局方におけるNaOH の定量法について、 標準液の標定、第一中和点の pH、指示薬(メチルオレンジ)の変色機構などを正しく理解しているかを問う。
■ 各選択肢の検討
● 1:下線部アの標準液の標定に用いられる標準試薬と、0.5 mol/L 塩酸の標定に用いられる標準試薬は同じである。(正)
日本薬局方では、酸の標定には炭酸ナトリウム(Na₂CO₃:一次標準物質)を用いる。 0.5 mol/L 塩酸の標定にも同じく炭酸ナトリウムが用いられるため、この記述は正しい。
● 2:下線部イでは、本品の量が異なっても第一中和点となる pH の値は変化しない。(正)
第一中和点はフェノールフタレイン終点であり、 終点の pH は指示薬の変色域(pH 8.2〜10)で決まる。 試料量が変わっても、終点の pH は一定である。 したがって正しい。
● 3:0.5 mol/L 硫酸の代わりに、ファクターが同じ 0.5 mol/L 塩酸を用いても滴定量は変わらない。(誤)
H₂SO₄ は2価酸、HCl は1価酸であり、 同じ 0.5 mol/L でも当量濃度(N)が異なる。 よって滴定量は一致しないため誤り。
● 4:下線部エは、メチルオレンジのほとんどが化学構造 b から a に変化した結果である。(誤)
メチルオレンジは ・酸性側:プロトン化型(赤色)=構造 b ・塩基性側:脱プロトン化型(黄色)=構造 a である。 第二中和点(メチルオレンジ終点)は酸性側なので、 b → a ではなく、むしろ a → b の方向で色が変わる。 したがって記述は誤り。
● 5:空欄オに入る数字は 80.00 である。(誤)
0.5 mol/L H₂SO₄ は 2価酸であり、 1 mL に含まれる当量は 0.5 × 2 / 1000 = 0.001 eq。 NaOH(40.00 g/mol)は 1価塩基なので、 中和される NaOH は 0.001 eq × 40.00 g = 40 mg。 80 mg ではないため誤り。
■ まとめ
- 酸の標定には炭酸ナトリウムを用いる → 1 正
- 第一中和点の pH は指示薬で決まるため一定 → 2 正
- 硫酸と塩酸は価数が異なるため滴定量は一致しない → 3 誤
- メチルオレンジの変色方向が逆 → 4 誤
- H₂SO₄ 1 mL が中和する NaOH は 40 mg → 5 誤
