第111回薬剤師国家試験 問46 反復静注時の蓄積と最高血中濃度の推移

問 46 体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従い、消失半減期が6時間の薬物
を、6時間間隔で繰り返し急速静脈内投与するとき、初回投与時の最高血中薬物濃
度(1回目投与直後)の 1.75 倍の血中薬物濃度になるのはいつか。1つ選べ。
1 2回目投与直後
2 3回目投与直前
3 3回目投与直後
4 4回目投与直前
5 4回目投与直後

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■ 正解

3(3回目投与直後)

■ 問題の整理

  • モデル:線形 1-コンパートメントモデル
  • 投与方法:急速静脈内投与(IVボーラス)
  • 消失半減期:6時間
  • 投与間隔:6時間(=半減期と同じ)
  • 求めるもの:初回投与直後の最高血中濃度の1.75倍になるタイミング

■ 基本式:反復投与時の最高血中濃度

線形 1-コンパートメントモデルで、同じ量を τ 間隔で反復 IV 投与するとき、 n 回目投与直後の最高血中濃度 Cmax,n は:

Cmax,n = C0 × (1 + e-kτ + e-2kτ + … + e-(n-1)kτ) = C0 × (1 − e-nkτ) / (1 − e-kτ)

ここで、

  • C0:1回目投与直後の最高血中濃度
  • k:消失速度定数
  • τ:投与間隔

■ 本問の条件を代入

● 消失速度定数 k と e-kτ の計算

消失半減期 t1/2 = 6時間より、

k = ln2 / t1/2 = ln2 / 6 τ = 6時間 なので、

e-kτ = e-(ln2/6)×6 = e-ln2 = 1/2

● n回目投与直後の最高濃度の倍率

Cmax,n / C0 = (1 − e-nkτ) / (1 − e-kτ) = (1 − (1/2)n) / (1 − 1/2) = 2 × (1 − (1/2)n)

これが1.75倍になる n を求める:

2 × (1 − (1/2)n) = 1.75 → 1 − (1/2)n = 0.875 → (1/2)n = 0.125 = 1/8 → n = 3

したがって、3回目投与直後の最高血中濃度が、初回投与直後の1.75倍となる。

■ 各選択肢の検討

● 1:2回目投与直後(誤)

n=2 のとき: Cmax,2 / C0 = 2 × (1 − (1/2)2) = 2 × (1 − 1/4) = 1.5倍。

● 2:3回目投与直前(誤)

3回目投与直前は、2回目投与後 6時間経過時点の濃度であり、 最高濃度ではなく、1.75倍にもならない。

● 3:3回目投与直後(正)

計算より、Cmax,3 = 1.75 × C0 となる。

● 4:4回目投与直前(誤)

4回目投与直前は 3回目投与後 6時間経過時点であり、 最高濃度より低い。

● 5:4回目投与直後(誤)

n=4 のとき: Cmax,4 / C0 = 2 × (1 − (1/2)4) = 2 × (1 − 1/16) = 1.875倍。

■ まとめ

  • 半減期=投与間隔 → e-kτ = 1/2。
  • n回目投与直後の最高濃度倍率:2 × (1 − (1/2)n)。
  • 1.75倍となるのは n=3 → 3回目投与直後
  • したがって正解は選択肢 3

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