第110回薬剤師国家試験 問120(衛生)ナイアシンの欠乏・過剰と栄養学的特徴

問120(衛生)
ナイアシンに関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
1 妊娠中にナイアシンが欠乏すると、胎児に神経管閉鎖障害が起こる。
2 ナイアシンが欠乏すると、皮膚炎や下痢、中枢神経症状が現れる。
3 ナイアシンの一種であるニコチン酸には「日本人の食事摂取基準(₂₀₂₀年
版)」で耐容上限量が設定されていない。
4 トウモロコシを主食とする地域では、ナイアシンの欠乏症に注意する必要があ
る。
5 ナイアシンが過剰になると、頭蓋内圧の亢進が起こる。

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■ 正解

2、4

■ ナイアシン(ニコチン酸・ニコチンアミド)の基本事項

  • ナイアシン欠乏症はペラグラ(皮膚炎・下痢・認知症)が典型。
  • トウモロコシはナイアシンが結合型で吸収されにくいため、欠乏症が起こりやすい。
  • ナイアシンはトリプトファンからも合成される。
  • ニコチン酸には耐容上限量(UL)が設定されている(2020年版 食事摂取基準)。
  • ナイアシン過剰の典型症状は皮膚紅潮(フラッシング)であり、頭蓋内圧亢進ではない。

■ 各選択肢の解説

● 1:妊娠中のナイアシン欠乏で神経管閉鎖障害(誤)

神経管閉鎖障害と関連が強いのは葉酸。 ナイアシン欠乏ではない。 したがって誤り。

● 2:欠乏で皮膚炎・下痢・中枢神経症状(正)

ナイアシン欠乏症=ペラグラ(3D:Dermatitis, Diarrhea, Dementia)。 典型的症状であり正しい。

● 3:ニコチン酸には耐容上限量が設定されていない(誤)

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、 ニコチン酸(ナイアシン当量)に耐容上限量(UL)が設定されている。 したがって誤り。

● 4:トウモロコシ主食地域では欠乏症に注意(正)

トウモロコシ中のナイアシンは結合型で吸収されにくいため、 ペラグラが多発した歴史がある。 よって正しい。

● 5:ナイアシン過剰で頭蓋内圧亢進(誤)

ナイアシン過剰の代表的副作用は皮膚紅潮(フラッシング)。 頭蓋内圧亢進はビタミンA過剰で見られる症状。 したがって誤り。

■ まとめ

  • 2:ペラグラ症状(皮膚炎・下痢・中枢神経症状) → 正しい
  • 4:トウモロコシ主食地域で欠乏しやすい → 正しい
  • 1:神経管閉鎖障害は葉酸
  • 3:ニコチン酸にはULあり
  • 5:頭蓋内圧亢進はビタミンA過剰

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