第109回薬剤師国家試験 問109 六君子湯の構成生薬と症状改善の対応

問109 28歳女性。日頃からストレスによる疲労感やイライラを強く感じていて、最近
になって胃痛や嘔吐、食欲不振に悩まされるようになった。今回、一般用医薬品を
希望して来局したため、症状から六君子湯(ハンゲ、チンピ、ニンジン、ビャク
ジュツ又はソウジュツ、ショウキョウ、カンゾウ、タイソウ、ブクリョウから構成
される)を薦めた。
これらの症状に対して六君子湯が有効と考えた主たる根拠として誤っているのは
どれか。1つ選べ。
1 ハンゲには嘔吐を改善するはたらきがある。
2 チンピには胃の調子を改善するはたらきがある。
3 ニンジンには疲労感を改善するはたらきがある。
4 ビャクジュツ又はソウジュツにはイライラを改善するはたらきがある。
5 ショウキョウには食欲不振を改善するはたらきがある。

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■ 正解
4


■ 問題の本質(六君子湯の“どの症状にどの生薬が効くか”の正しい理解)

六君子湯は、 胃腸虚弱・食欲不振・胃もたれ・嘔吐・疲労感などに用いられる代表的な補気健胃剤。 構成生薬の作用を正しく理解していれば、どの選択肢が誤りかは自然に見えてくる。 —

■ 各選択肢の検証

● 1 ハンゲには嘔吐を改善するはたらきがある(正)
半夏(ハンゲ)は止嘔作用が非常に強く、 六君子湯の「吐き気・嘔吐」改善の中心生薬。 → 正しい。


● 2 チンピには胃の調子を改善するはたらきがある(正)
陳皮(チンピ)は健胃・理気作用をもち、 胃のつかえ・食欲不振・胃痛の改善に用いられる。 → 正しい。


● 3 ニンジンには疲労感を改善するはたらきがある(正)
人参(ニンジン)は補気作用が強く、 倦怠感・疲労感・食欲低下の改善に重要。 → 正しい。


● 4 ビャクジュツ又はソウジュツにはイライラを改善するはたらきがある(誤)
白朮(ビャクジュツ)・蒼朮(ソウジュツ)は、 健胃・利水・補気が主作用であり、 イライラ(精神不安・神経症状)を直接改善する作用は基本的にない。 イライラ改善に関わるのは、 ・柴胡 ・加味逍遙散の山梔子・牡丹皮 などの「疏肝・清熱」系の生薬であり、六君子湯には含まれない。 → よってこの選択肢が誤り。


● 5 ショウキョウには食欲不振を改善するはたらきがある(正)
生姜(ショウキョウ)は健胃・温中作用をもち、 食欲不振・胃の冷え・吐き気の改善に寄与する。 → 正しい。


■ まとめ

  • ハンゲ:止嘔(1:正)
  • チンピ:健胃(2:正)
  • ニンジン:補気・疲労改善(3:正)
  • ビャクジュツ/ソウジュツ:健胃・利水であり、イライラ改善ではない(4:誤)
  • ショウキョウ:健胃・食欲改善(5:正)

誤っているのは 4

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