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■ 正解
2, 4
■ 反応の本質:ラセミ体が生じるのは「平面中間体」を経由する反応
ラセミ化が起こるためには、反応途中でsp2 平面構造の中間体が生じ、 そこへ求核剤や付加種が両面から攻撃できる状態になる必要がある。
つまり、以下の反応がラセミ化を起こしやすい:
- カルボカチオン(平面)を経由する反応
- ブロモニウムイオンなどの対称的中間体を経由する反応
逆に、立体選択的な付加(syn/anti が固定される)や、 立体保持が起こる反応ではラセミ体は生じない。
■ 各選択肢の検討
● 1:A → Pd-C, H₂(誤)
水素化はsyn 付加であり、 二重結合が消失しても新たな不斉中心は生じない。 ラセミ化の要素がないため誤り。
● 2:A → BH₃ → H₂O₂/NaOH(正)
ヒドロホウ素化 → 酸化はsyn 付加で、通常は立体選択的。 しかし本問の A(1,2-ジメチルシクロペンテン)は、 付加により新たに不斉中心が 2 つ同時に生成する。
このとき、反応経路上で中間体が平面化しうる位置を含むため、両面攻撃が可能となり、 結果としてラセミ体(鏡像異性体の等量混合物)が得られる。
したがって正しい。
● 3:A → m-CPBA(エポキシ化)(誤)
エポキシ化は立体保持のまま syn 付加が起こる。 生成物は鏡像体の一方に偏る(立体選択的)ため、 ラセミ体にはならない。
● 4:A → Br₂(正)
Br₂ の付加は、まずブロモニウムイオン(3員環、平面性をもつ対称的中間体)を経由する。 この中間体は、求核攻撃が両面から等確率で起こりうるため、 生成物はラセミ体となる。
よって正しい。
● 5:A → OsO₄ → NaHSO₃(誤)
OsO₄ によるジヒドロキシ化は完全な syn 付加であり、 立体化学が固定される。 ラセミ体は生じない。
■ まとめ
- ラセミ体が生じるのは平面中間体(カルボカチオン・ブロモニウムイオン)を経由する反応
- 2:ヒドロホウ素化 → 酸化は本構造ではラセミ化が起こる
- 4:Br₂ 付加はブロモニウムイオン経由 → ラセミ体
- よって正しいのは2, 4