第110回薬剤師国家試験 問203 小児在宅患者への服薬指導

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■ 正解

1、4

■ 症例の前提

・4歳、低酸素脳症後、在宅管理中

・脳下垂体機能不全に対して:

 処方1:ヒドロコルチゾン(副腎皮質ホルモン補充)

 処方2:デスモプレシン(中枢性尿崩症などに使用)

 処方3:レボチロキシン(甲状腺ホルモン補充)


● 1:発熱時には処方1を増量する必要があるので、医師の指示を受けてください(正)

ヒドロコルチゾンは副腎皮質機能不全の補充療法であり、

発熱・感染・手術などのストレス時にはストレス用量への増量が必要となる。

自己判断ではなく、必ず医師の指示を受けるよう伝えるのは適切。


● 2:1日2L以上の水を与える(誤)

4歳・14 kgの幼児に 2 L/日 は過剰な水分量となりうる。

さらにデスモプレシンは抗利尿作用を有し、水中毒・低Na血症のリスクがあるため、

むしろ過剰な水分摂取は避けるべきであり不適切。


● 3:食事時間はいつでもよい(誤)

処方1:ヒドロコルチゾン →「朝昼夕食前」

処方3:レボチロキシン →「朝食前」

いずれも食事とのタイミングが薬効に影響するため、

「食事時間はいつでもよい」とする説明は不適切。


● 4:痒れんや嘔吐は副作用の可能性があるので医師に連絡(正)

ヒドロコルチゾン、デスモプレシン、レボチロキシンいずれも、

・皮膚症状(発疹・そう痒)

・消化器症状(悪心・嘔吐)

などの副作用が起こりうる。

これらが出現した場合に医師へ連絡を促す指導は適切


● 5:大豆製品は処方3の効果を強めるので禁止(誤)

レボチロキシンは、大豆製品などにより吸収が低下することが知られている。

「効果を強める」ではなく、むしろ弱める方向であり、

完全禁止ではなく、摂取量やタイミングの一貫性を保つ指導が一般的。


■ まとめ

・副腎皮質ホルモン補充中の発熱時 → 医師指示下で増量が必要(1:正)

・痒み・嘔吐などの症状 → 薬剤性副作用を疑い医師へ連絡(4:正)

・水分過剰、食事時間の軽視、大豆製品の誤った説明はいずれも不適切

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