第109回薬剤師国家試験 問99 光の屈折・偏光・散乱・干渉の基礎

問99 光の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 光が臨界角より小さい入射角で入射すると、すべての光は境界面で全反射す
る。
2 ある媒質から真空中に入射する光の屈折率を絶対屈折率という。
3 自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ楕円偏光を取り出せる。
4 光が物質に当たったときに四方八方へ進行方向が散らばる現象を散乱という。
5 2つの光は位相が一致すると干渉して強め合う。

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■ 正解
4、5


■ 問題の本質(光の振る舞いの基本概念)

本問は、光の全反射・屈折率・偏光・散乱・干渉について、教科書レベルの定義を正しく理解しているかを問う問題である。


■ 各選択肢の検証

● 1 光が臨界角より小さい入射角で入射すると、すべての光は境界面で全反射する(誤)
全反射が起こる条件は、

  • 屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ進むとき
  • 入射角が臨界角より大きいとき

である。

臨界角より小さい入射角では、通常どおり屈折が起こり、全反射にはならない。

→ 記述は逆であり、誤。


● 2 ある媒質から真空中に入射する光の屈折率を絶対屈折率という(誤)
絶対屈折率とは、

n = \frac{c}{v}

(c:真空中の光速、v:その媒質中の光速)で定義される、媒質そのものの屈折率である。

「ある媒質から真空中に入射する光の屈折率」という表現は、入射の向きに依存するかのような書き方で不正確。

→ 定義として不適切なので誤。


● 3 自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ楕円偏光を取り出せる(誤)
自然光(無偏光)を理想的な偏光板に通すと、得られるのは:

  • 1 方向の振動成分だけをもつ「直線偏光」

である。

楕円偏光は、位相のずれた 2 つの直線偏光が重なった状態であり、単純な偏光板 1 枚では得られない。

→ 記述は誤。


● 4 光が物質に当たったときに四方八方へ進行方向が散らばる現象を散乱という(正)
散乱とは、光が粒子や不均一な媒質に当たったとき、

  • 進行方向がさまざまな方向に変えられる現象

をいう。

「四方八方へ進行方向が散らばる」という説明は、散乱の定義として適切である。

→ 正しい。


● 5 2つの光は位相が一致すると干渉して強め合う(正)
干渉の基本:

  • 位相が一致(同位相) → 強め合う(干渉強め合い)
  • 位相が反対(逆位相) → 打ち消し合う(干渉弱め合い)

したがって、「位相が一致すると干渉して強め合う」という記述は正しい。


■ まとめ

  • 全反射:臨界角より大きい入射角で起こる(1:誤)
  • 絶対屈折率:媒質中の光速に基づく定義(2:誤)
  • 偏光板 → 直線偏光、楕円偏光ではない(3:誤)
  • 散乱:光の進行方向が四方八方に散らばる現象(4:正)
  • 同位相の光は干渉して強め合う(5:正)

正解は 4 と 5

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