問156(薬理)
心不全治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ミルリノンは、ホスホジエステラーゼⅢ(PDEⅢ)を阻害して、心筋細胞内
サイクリックAMP(cAMP)の分解を抑制する。
2 コルホルシンダロパートは、Na+, K+︲ATPaseを阻害して、陽性の変力作用及
び陰性の変時作用を示す。
3 イバブラジンは、ネプリライシンを阻害して、心房性ナトリウム利尿ペプチド
の分解を抑制する。
4 カンデサルタンは、アンジオテンシンⅡAT1
受容体を遮断して、心筋のリモ
デリングを抑制する。
5 ベルイシグアトは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネルを
遮断して、心拍数を減少させる。
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■ 正解
1、4
■ 各選択肢の解説
● 1:ミルリノンはPDEⅢ阻害 → cAMP分解抑制(正)
ミルリノンはPDEⅢ阻害薬で、心筋細胞内のcAMP分解を抑制する。 cAMP増加 → Ca²⁺流入増加 → 陽性変力作用(収縮力増強)を示す。 記述は正しい。
● 2:コルホルシンダロパートはNa⁺/K⁺-ATPase阻害(誤)
Na⁺/K⁺-ATPaseを阻害するのはジギタリス(ジゴキシン)。 コルホルシンダロパートはアデニル酸シクラーゼ活性化薬であり、 作用機序が異なるため誤り。
● 3:イバブラジンはネプリライシン阻害(誤)
ネプリライシン阻害薬はサクビトリル。 イバブラジンはHCNチャネル(If電流)阻害 → 心拍数低下が作用機序であり、 記述は誤り。
● 4:カンデサルタンはAT₁受容体遮断 → リモデリング抑制(正)
カンデサルタンはARB(AT₁受容体遮断薬)で、 アンジオテンシンⅡの作用を抑制し、 心筋リモデリング抑制・後負荷軽減などの効果を示す。 記述は正しい。
● 5:ベルイシグアトはHCNチャネル遮断(誤)
HCNチャネルを遮断するのはイバブラジン。 ベルイシグアトはsGC刺激薬(可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬)で、 NO–sGC–cGMP経路を増強する薬。 記述は誤り。
■ まとめ
1:ミルリノン → PDEⅢ阻害 → cAMP↑ → 陽性変力作用 → 正しい
4:カンデサルタン → AT₁遮断 → リモデリング抑制 → 正しい
2:Na⁺/K⁺-ATPase阻害はジギタリス
3:ネプリライシン阻害はサクビトリル
5:HCN遮断はイバブラジン、ベルイシグアトはsGC刺激薬
