第110回薬剤師国家試験 問334 深部静脈血栓症(DVT)の治療薬選択

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■ 正解
4、5


■ 症例の要点(病態 × 検査 × 治療方針)

68歳女性。右下肢腫脹、D-ダイマー 8.9 μg/mL と高値、超音波で血栓確認。 → 深部静脈血栓症(DVT) と確定診断。

DVT は凝固因子の活性化によるフィブリン血栓が主体であり、 治療の中心は抗凝固療法である。

eGFR 72 → 腎機能良好。 → DOAC(直接経口抗凝固薬)も LMWH(低分子ヘパリン)も使用可能。


■ 各選択肢の正誤と国家試験レベルの理由づけ

● 1 シロスタゾール(誤)
PDEⅢ阻害薬 → 血小板凝集抑制。 動脈血栓(血小板主体)に用いる薬であり、 静脈血栓(凝固因子主体)には無効。

→ DVT の病態に合致しないため誤。

● 2 クロピドグレル(誤)
ADP受容体阻害薬 → 抗血小板薬。 静脈血栓は血小板よりも凝固因子の活性化が中心。 → 抗血小板薬は治療効果が不十分。

→ DVT 治療には使用しないため誤。

● 3 ワルファリン(誤)
ビタミンK拮抗薬 → 抗凝固薬で DVT に使用可能。 しかし、 ・INR管理が必要 ・食事(ビタミンK)や薬物相互作用が多い ・初期はヘパリン併用が必要 ・現在はガイドラインで DOAC が第一選択

→ 「適切な治療薬を2つ選べ」という設問では優先度が低く誤となる。

● 4 アピキサバン(正)
DOAC(Xa阻害薬)。 DVT の初期治療から単剤で使用可能(ヘパリン併用不要)。 腎機能良好のため減量不要。

→ 現行ガイドラインで第一選択。正。

● 5 ダルテパリン(正)
低分子ヘパリン(LMWH)。 DVT の初期治療の標準薬。 腎機能良好で使用可能。

特に入院初期治療では LMWH がよく用いられる。

→ 適切な治療薬として正。


■ まとめ(国家試験で問われる本質)

  • DVT は凝固因子主体 → 抗凝固薬が必須
  • 抗血小板薬(1・2)は病態に合わず(誤)
  • ワルファリンは使えるが第一選択ではない(誤)
  • DOAC(アピキサバン)はガイドラインで第一選択(正)
  • LMWH(ダルテパリン)も初期治療として標準(正)

正解は 4 と 5

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