第110回薬剤師国家試験 問197 NaHCO₃投与の理由

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■ 正解

3(代謝性アシドーシスであったため)

■ 動脈血液ガスの所見

NaHCO₃点滴開始前:

  • pH:6.82(著明なアシドーシス)
  • PaCO₂:63.7 mmHg
  • HCO₃⁻:10.1 mEq/L
  • Base Excess:−23.0 mEq/L

HCO₃⁻低値・BE強い陰性より、重度の代謝性アシドーシスが示唆される。


● 1:ケトアシドーシスであったため(誤)

尿中ケトン体は「陰性」であり、糖尿病性ケトアシドーシスなどは否定的。

ケトアシドーシスを示す所見はない。


● 2:呼吸性アシドーシスであったため(誤)

呼吸性アシドーシスでは、一次変化はPaCO₂上昇で、代償的にHCO₃⁻が上昇する。

本症例では HCO₃⁻が低値であり、一次変化は代謝性。


● 3:代謝性アシドーシスであったため(正)

・pH 6.82:重度アシドーシス

・HCO₃⁻ 10.1 mEq/L:著明な低下

・BE −23.0 mEq/L:強い塩基欠乏

これらは典型的な代謝性アシドーシスの所見であり、

重症例では NaHCO₃投与が検討される。


● 4:PaO₂が高値であったため(誤)

PaO₂は 130 mmHg 程度で、人工呼吸管理下としては不自然な高値ではなく、

NaHCO₃投与の理由にはならない。


● 5:ヘモグロビンが低値であったため(誤)

ヘモグロビン 9.0 g/dL は出血性ショックに伴う貧血として説明できるが、

貧血の補正には輸血を行うのであって、NaHCO₃投与の直接の理由ではない。


■ まとめ

・HCO₃⁻低値・BE強陰性 → 重度の代謝性アシドーシス

・その是正目的で 8.4% NaHCO₃注射液が投与された → 選択肢3が最も適切

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