問 14 ヒトでは合成されない、真菌に特異的な細胞膜成分はどれか。1つ選べ。
1 ホスファチジルエタノールアミン
2 ホスファチジルセリン
3 スフィンゴミエリン
4 エルゴステロール
5 コレステロール
解答・解説を見る
■ 正解
4(エルゴステロール)
■ 解説
真菌の細胞膜には、ヒトとは異なるエルゴステロール(ergosterol)が存在する。 ヒト細胞膜の主要ステロールはコレステロールであり、エルゴステロールは合成されない。
この「真菌だけが持つ」という特異性が、抗真菌薬の重要な標的となっている。
■ エルゴステロールが重要な理由
- ポリエン系抗真菌薬(アムホテリシンB):エルゴステロールに結合し膜を破壊
- アゾール系抗真菌薬(フルコナゾール等):エルゴステロール合成酵素を阻害
- アリルアミン系(テルビナフィン):スクアレンエポキシダーゼ阻害 → エルゴステロール合成阻害
つまり、エルゴステロールは抗真菌薬の主要ターゲットであり、 ヒトとの違いを利用した選択毒性の根拠となる。
■ 各選択肢の検討
● 1:ホスファチジルエタノールアミン(誤)
リン脂質の一種で、ヒト細胞膜にも存在する。真菌特異的ではない。
● 2:ホスファチジルセリン(誤)
これもリン脂質で、ヒト細胞膜にも広く存在する。
● 3:スフィンゴミエリン(誤)
スフィンゴ脂質で、ヒト細胞膜に存在。真菌ではむしろ少ない。
● 4:エルゴステロール(正)
真菌細胞膜に特異的に存在するステロール。 ヒトでは合成されず、抗真菌薬の主要標的。
● 5:コレステロール(誤)
ヒト細胞膜の主要ステロール。真菌では主成分ではない。
■ まとめ
- 真菌細胞膜の主要ステロールはエルゴステロール。
- ヒトはエルゴステロールを合成しない。
- 抗真菌薬の選択毒性の根拠となる。
- したがって正解は選択肢 4。
