第111回薬剤師国家試験 問18 ウェルニッケ脳症を引き起こすビタミン欠乏

解答・解説を見る

■ 正解

2(ビタミンB1:チアミン)

■ 解説

ウェルニッケ脳症(Wernicke encephalopathy)は、ビタミンB1(チアミン)欠乏により発症する急性神経障害である。 特に慢性アルコール依存症で頻発し、治療が遅れるとコルサコフ症候群へ進展する。

チアミンは、糖代謝に必須の補酵素であるチアミンピロリン酸(TPP)として働き、 以下の重要酵素の補因子となる:

  • ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)
  • α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ
  • トランスケトラーゼ(ペントースリン酸回路)

これらが障害されると、脳でのエネルギー産生が低下し、 眼球運動障害・失調・意識障害を呈する。

■ 各選択肢の検討

● 1(誤)

構造はビタミンB2(リボフラビン)など別のビタミンに相当。 B2欠乏は口角炎・舌炎などで、ウェルニッケ脳症とは無関係。

● 2(正)

チアミン(ビタミンB1の構造。 欠乏によりウェルニッケ脳症を引き起こす。

● 3(誤)

ナイアシン(ビタミンB3)など別のビタミン構造。 欠乏はペラグラ(皮膚炎・下痢・認知症)。

● 4(誤)

ビタミンB6(ピリドキシン)などの構造に類似。 欠乏は末梢神経障害・けいれんなど。

● 5(誤)

ビタミンB12(コバラミン)などの構造に相当。 欠乏は巨赤芽球性貧血・後索障害。

■ まとめ

  • ウェルニッケ脳症の原因はビタミンB1(チアミン)欠乏
  • 提示構造のうち、チアミンに該当するのは選択肢 2
  • アルコール依存症では特に注意が必要。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA