第110回薬剤師国家試験 問272 フェノバルビタール中毒に対する球形吸着炭・炭酸水素ナトリウムの作用機序

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■ 正解

3、5


■ 症例のポイント

フェノバルビタール血中濃度:65 μg/mL(中毒域)

治療として:

  • 球形吸着炭の反復投与(6時間ごと)
  • 炭酸水素ナトリウムの持続投与

→ この2つがフェノバルビタールの体内動態にどう作用するかを問う問題。


■ まずフェノバルビタールの性質を整理

  • 弱酸性薬物(pKa ≈ 7.3)
  • 腸肝循環を受ける
  • 腎排泄されるが、尿がアルカリ性だと再吸収が抑制され排泄↑

→ この性質が治療法の根拠になる。


● 3 腸肝循環の抑制(正)

球形吸着炭の反復投与は、

  • 腸管内に排泄されたフェノバルビタールを吸着
  • 再吸収(腸肝循環)を阻害
  • 結果として血中濃度を低下させる

→ 中毒治療で最も重要な作用の1つ。


● 5 尿細管再吸収の抑制(正)

炭酸水素ナトリウム投与により、

  • 尿がアルカリ化(pH上昇)
  • 弱酸性薬物であるフェノバルビタールがイオン化
  • 尿細管で再吸収されにくくなる
  • → 尿中排泄が増加

→ これが「尿アルカリ化療法」の基本原理。


● 1 血漿タンパク結合の阻害(誤)

球形吸着炭も炭酸水素ナトリウムも血漿タンパク結合には影響しない。


● 2 肝取り込みの促進(誤)

どちらの治療法も肝取り込みには関与しない。


● 4 尿細管分泌の促進(誤)

フェノバルビタールは主に受動的再吸収が問題であり、 分泌促進ではない。


■ まとめ

  • 球形吸着炭 → 腸肝循環の抑制(3 正)
  • 炭酸水素ナトリウム → 尿アルカリ化 → 再吸収抑制(5 正)
  • 血漿タンパク結合・肝取り込み・尿細管分泌は関係なし

→ 正解は3 と 5

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