第110回薬剤師国家試験 問344 妊娠可能性のある家族性高コレステロール血症(FH)患者の薬物治療

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■ 正解
3(コレスチミド)


■ 症例の要点(FH × 妊娠可能性 × 脂質治療)

32歳女性、家族性高コレステロール血症(FH)。 現在の治療:エゼミチブ・アトルバスタチン配合錠 → LDL-C 80 mg/dL と良好に管理。

しかし本日の診察で:

  • 「妊娠の可能性がある」と申告

→ スタチン(アトルバスタチン)は妊娠禁忌。 胎児のコレステロール合成を阻害するため、催奇形性リスクがある。

よって、スタチンは中止し、妊娠中でも使用可能な薬剤へ変更する必要がある。


■ 各選択肢の正誤

● 1 ロスバスタチン(誤)
スタチン系。 → 妊娠禁忌。胎児の発育に必要なコレステロール合成を阻害する。

→ 選択不可。


● 2 プロブコール(誤)
妊娠中は禁忌ではないが推奨されない。 また、HDL-C を低下させるため、妊娠中の脂質管理として適切ではない。

→ 本症例では選ばない。


● 3 コレスチミド(正)
胆汁酸吸着薬(レジン)。 消化管内で作用し、全身循環に吸収されない。

→ 妊娠中でも安全性が高いとされ、 妊婦の脂質異常症治療で第一選択となる。

→ 本症例に最も適切。


● 4 ペマフィブラート(誤)
フィブラート系。 妊娠中の安全性が確立しておらず、原則使用しない。

→ 選択不可。


● 5 ロミタピド(誤)
ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)阻害薬。 重症 FH に用いるが、催奇形性リスクがあり妊娠禁忌

→ 選択不可。


■ まとめ

  • 妊娠可能性 → スタチンは禁忌
  • 妊娠中に使用可能な LDL-C 低下薬 → 胆汁酸吸着薬(コレスチミド)
  • フィブラート・MTP阻害薬は妊娠中不可

正解は 3(コレスチミド)

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