第110回薬剤師国家試験 問9 ベンジルカチオンの安定性(置換基の共鳴効果)

解答・解説

解答・解説

■ 解答
4 (メタ位とパラ位にメトキシ基を持つベンジルカチオン)

■ 解説
ベンジルカチオンの安定性は、芳香環上の置換基による共鳴効果(電子供与性)によって大きく左右される。

特に、メトキシ基(–OCH₃)は電子供与性が強く、カチオンの正電荷を芳香環に分散させて安定化する

【置換基の位置と共鳴効果】

  • パラ位(4位)やオルト位(2位)にあると、共鳴構造を通じて直接カチオンを安定化できる
  • メタ位(3位)は共鳴には寄与しにくいが、誘導効果でわずかに安定化する

選択肢4は、メタ位とパラ位にメトキシ基があるため、
パラ位のメトキシ基が強く共鳴安定化を起こし、メタ位も誘導効果で補助的に安定化する。

選択肢5はメトキシ基が3つあるが、オルト・メタ・パラの混在により立体障害や電子効果の打ち消しが起こり、4ほど安定化されない

■ 選択肢のポイント
1 パラ位のみ → 共鳴安定化はあるが1基のみ
2 メタ位のみ → 共鳴効果なし、誘導効果のみ
3 オルト+パラ → 共鳴安定化はあるが2基
4 メタ+パラ → 共鳴+誘導のバランスが最良 → 正解
5 オルト+メタ+パラ → 過剰な置換で立体障害・電子効果の打ち消し → 安定性低下

■ 暗記ポイント
・ベンジルカチオンの安定化=芳香環+電子供与性置換基(共鳴効果)
・メトキシ基は強い電子供与性 → パラ位が最も効果的
・最も安定なのは「メタ+パラ」の組み合わせ(選択肢4)

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