第110回薬剤師国家試験 問236 CKD患者のTPN設計で検討すべき点

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■ 正解

1、4

■ 症例背景

50歳男性、CKDステージ3b(eGFR 30〜44 mL/min/1.73m²)。 経口摂取不可 → TPN(完全静脈栄養)へ移行。

CKD患者のTPNでは、以下が重要:

  • 腎機能に応じたアミノ酸量の調整
  • 電解質(特にK、P、Mg)の過剰投与回避
  • ビタミンD代謝異常への配慮

● 1:BCAAを投与する(正)

CKD患者では、アミノ酸代謝異常や蛋白制限の影響で、 BCAA(分岐鎖アミノ酸)不足が起こりやすい。

TPNでは、腎機能に配慮しつつ、 BCAAを適切に補給することが推奨される。

→ 特に栄養不良リスクがある場合は重要。


● 2:低リン血症リスク → リン酸二カリウム投与(誤)

CKDではむしろ高リン血症になりやすい。

リン酸製剤の投与は危険であり、慎重投与が原則。


● 3:代謝性アルカローシス → 生食やKCl投与(誤)

CKDでは代謝性アシドーシスが問題となることが多い。

アルカローシスを前提とした対応は不適切。


● 4:低カルシウム血症リスク → 活性型ビタミンD₃投与(正)

CKDでは腎での活性化が低下し、 活性型ビタミンD(カルシトリオール)不足 → 低Ca血症が起こりやすい。

→ TPN設計時にも、Ca・Pバランスとともに 活性型ビタミンD補充を検討するのは適切


● 5:腎不全進行時にK製剤を積極投与(誤)

CKDでは高カリウム血症が致命的リスク。

→ K製剤の積極投与は禁忌に近い。


■ まとめ

・CKD患者のTPNでは、BCAA補給(1)と活性型ビタミンD補充(4)が重要

・リン・カリウムの過剰投与は危険(2、5は誤)

・CKDはアシドーシス傾向(3は誤)

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