第111回薬剤師国家試験 問25 水質汚濁防止法における「検出されないこと」とされる有害物質

問 25 水質汚濁防止法において、健康に係る有害物質についての排水基準の許容濃度
として「検出されないこと」となっているのはどれか。1つ選べ。
1 六価クロム化合物
2 アルキル水銀化合物
3 カドミウム及びその化合物
4 大腸菌
5 ポリ塩化ビフェニル

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■ 正解

2(アルキル水銀化合物)

■ 解説

水質汚濁防止法では、健康に係る有害物質について排水基準が定められている。 その中でも最も厳しい基準が「検出されないこと」であり、 これはアルキル水銀化合物(有機水銀)に適用されている。

アルキル水銀は、メチル水銀を代表とする高い神経毒性をもつ化合物で、 水俣病の原因物質として歴史的にも重大な公害を引き起こした。 そのため、排水中に「検出されないこと」という極めて厳格な基準が設定されている。

■ なぜ「検出されないこと」なのか

  • 生体蓄積性が高い(生物濃縮)
  • 神経毒性が極めて強い
  • 胎児への影響が大きい(胎児性水俣病)
  • 環境中で分解されにくい

これらの理由から、許容濃度ではなくゼロ許容(ND:Not Detectable)が採用されている。

■ 各選択肢の検討

● 1:六価クロム化合物(誤)

排水基準は0.05 mg/L 以下。 「検出されないこと」ではない。

● 2:アルキル水銀化合物(正)

排水基準:検出されないこと。 最も厳しい規制が適用される。

● 3:カドミウム及びその化合物(誤)

排水基準は0.03 mg/L 以下

● 4:大腸菌(誤)

水質汚濁防止法の「健康項目」ではなく、環境基準の別枠。

● 5:ポリ塩化ビフェニル(誤)

排水基準は0.003 mg/L 以下。 「検出されないこと」ではない。

■ まとめ

  • 水質汚濁防止法で「検出されないこと」とされるのはアルキル水銀化合物
  • 強い神経毒性・生物濃縮性・公害の歴史から最も厳しい基準が設定。
  • したがって正解は選択肢 2

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