第111回薬剤師国家試験 問6 ベシル酸(ベンゼンスルホン酸)の構造

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■ 正解

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■ 解説

ベシル酸(besilic acid, besilate)は、医薬品の塩形成に用いられる酸であり、 その正体はベンゼンスルホン酸(benzene sulfonic acid)である。

医薬品では「○○ベシル酸塩(○○ besilate)」という形で登場し、 塩基性官能基(アミンなど)を中和して塩を形成するための強酸として利用される。

■ ベシル酸の特徴

  • スルホン酸(–SO₃H)をもつ強酸
  • カルボン酸(–CO₂H)よりはるかに酸性が強い
  • アミン類と安定な塩を形成しやすい
  • 医薬品の溶解性・安定性を改善する目的で用いられる

したがって、構造式として正しいのは ベンゼン環に –SO₃H が結合したもの(選択肢2)である。

■ 各選択肢の検討

● 1:ベンゼンカルボン酸(安息香酸)(誤)

–CO₂H をもつが、これはカルボン酸であり酸性が弱い。 ベシル酸ではない。

● 2:ベンゼンスルホン酸(正)

–SO₃H をもつスルホン酸で、ベシル酸そのもの。 医薬品のベシル酸塩はこの構造の酸と塩基性薬物が結合したもの。

● 3:フェノール(–OH)(誤)

酸性はあるが非常に弱く、塩形成には不適。 ベシル酸とは全く異なる。

● 4:p-メチル安息香酸(誤)

カルボン酸であり、酸性が弱い。 ベシル酸ではない。

● 5:p-メチルベンゼンスルホン酸(誤)

スルホン酸で酸性は強いが、ベシル酸(ベンゼンスルホン酸)とは別物。 メチル基が付くと名称は「トルエンスルホン酸(トシル酸)」になる。

■ まとめ

  • ベシル酸=ベンゼンスルホン酸(benzene sulfonic acid)。
  • 構造は「ベンゼン環 − SO₃H」。
  • 塩基性薬物と塩を作るために用いられる強酸。
  • 正しい構造は選択肢2

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