


解答・解説を見る
■ 正解
3(代謝性アシドーシスであったため)
■ 動脈血液ガスの所見
NaHCO₃点滴開始前:
- pH:6.82(著明なアシドーシス)
- PaCO₂:63.7 mmHg
- HCO₃⁻:10.1 mEq/L
- Base Excess:−23.0 mEq/L
HCO₃⁻低値・BE強い陰性より、重度の代謝性アシドーシスが示唆される。
● 1:ケトアシドーシスであったため(誤)
尿中ケトン体は「陰性」であり、糖尿病性ケトアシドーシスなどは否定的。
ケトアシドーシスを示す所見はない。
● 2:呼吸性アシドーシスであったため(誤)
呼吸性アシドーシスでは、一次変化はPaCO₂上昇で、代償的にHCO₃⁻が上昇する。
本症例では HCO₃⁻が低値であり、一次変化は代謝性。
● 3:代謝性アシドーシスであったため(正)
・pH 6.82:重度アシドーシス
・HCO₃⁻ 10.1 mEq/L:著明な低下
・BE −23.0 mEq/L:強い塩基欠乏
これらは典型的な代謝性アシドーシスの所見であり、
重症例では NaHCO₃投与が検討される。
● 4:PaO₂が高値であったため(誤)
PaO₂は 130 mmHg 程度で、人工呼吸管理下としては不自然な高値ではなく、
NaHCO₃投与の理由にはならない。
● 5:ヘモグロビンが低値であったため(誤)
ヘモグロビン 9.0 g/dL は出血性ショックに伴う貧血として説明できるが、
貧血の補正には輸血を行うのであって、NaHCO₃投与の直接の理由ではない。
■ まとめ
・HCO₃⁻低値・BE強陰性 → 重度の代謝性アシドーシス
・その是正目的で 8.4% NaHCO₃注射液が投与された → 選択肢3が最も適切
