第110回薬剤師国家試験 問296 SLE(全身性エリテマトーデス)の病態判断

解答・解説を見る

■ 正解

4、5


■ 症例のポイント(SLE を強く示唆)

25歳女性、以下の症状・検査値が揃っている:

  • 蝶形紅斑(両頬の紅斑)
  • 関節痛
  • レイノー現象(冷感 → 蒼白)
  • 汎血球減少(WBC 2,800、Plt 9.3万)
  • 腎障害(BUN 45、Cr 2.0、尿タンパク2+)
  • 抗核抗体 640倍
  • 抗Sm抗体 陽性(8倍)

→ 典型的なSLE(全身性エリテマトーデス)の所見。


● 1 関節リウマチの典型的初期症状(誤)

RA の初期症状は、

  • 朝のこわばり
  • 左右対称の小関節炎(PIP・MCP)

など。

本症例は蝶形紅斑・腎障害・抗Sm抗体など、 RA ではなく SLE を示す所見が揃っている。


● 2 IV型アレルギー(細胞性免疫)が主に関与(誤)

SLE はIII型アレルギー(免疫複合体型)が中心。

抗核抗体などの自己抗体 → 免疫複合体形成 → 組織沈着 → 炎症。

→ IV型(T細胞主体)ではない。


● 3 ループス腎炎は否定できる(誤)

本症例は、

  • BUN 45 mg/dL
  • Cr 2.0 mg/dL
  • 尿タンパク 2+

→ 明らかに腎障害あり

さらに SLE の診断根拠(抗核抗体・抗Sm抗体)も揃っているため、 ループス腎炎はむしろ強く疑うべき。


● 4 Raynaud(レイノー)現象が認められる(正)

「冷たいものを持つと手指がしびれ・蒼白」 → 典型的なレイノー現象

膠原病(特に SLE、強皮症、MCTD)でよくみられる。


● 5 粘膜症状・精神症状など多彩な全身症状が現れる(正)

SLE は全身性自己免疫疾患であり、症状は多彩:

  • 皮膚:蝶形紅斑、光線過敏
  • 関節:関節痛
  • 腎:ループス腎炎
  • 血液:汎血球減少
  • 神経:精神症状、痙攣
  • 心・肺:胸膜炎、心膜炎

→ 選択肢5は正しい。


■ まとめ

  • SLE の病態はIII型アレルギー(免疫複合体)
  • レイノー現象あり(4 正)
  • SLE は全身性で多彩な症状(5 正)
  • RA ではない(1 誤)
  • IV型アレルギーではない(2 誤)
  • 腎障害あり → ループス腎炎否定不可(3 誤)

→ 正解は4 と 5

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA