第110回薬剤師国家試験 問220 鉄欠乏性貧血と鉄剤の服薬指導

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■ 正解

2、5

■ 背景:検査値から読み取れること

・Hb 9.0 g/dL(低値)
・MCV 76.7 fL(小球性)
・MCH、MCHC 低値
・フェリチン 4.2 ng/mL(著明な低下)
・TIBC 上昇

→ 典型的な鉄欠乏性貧血の所見。

処方はクエン酸第一鉄ナトリウムであり、鉄補充療法が適切に行われている。


● 1:巨赤芽球性貧血である(誤)

巨赤芽球性貧血は、MCV が上昇(大球性)するのが特徴。

本症例は MCV 低値であり、鉄欠乏性貧血に一致。


● 2:便が黒くなるため事前説明が必要(正)

鉄剤の服用により、便が黒色化することがある。

これは鉄が酸化されるためであり、異常ではない。

→ 不安を避けるため、事前説明が必須。


● 3:頻度の高い副作用に血栓塞栓症(誤)

鉄剤の主な副作用は、

・悪心
・便秘
・腹部不快感

などの消化器症状

血栓塞栓症は鉄剤の副作用ではない。


● 4:血清鉄が改善したら速やかに中止(誤)

鉄欠乏性貧血では、血清鉄が改善しても貯蔵鉄(フェリチン)が回復するまで治療を継続する必要がある。

通常、Hb が正常化してもさらに 1〜3 か月継続する。


● 5:食後服用は悪心・嘔吐を軽減するため(正)

鉄剤は胃部不快感・悪心を起こしやすい。

そのため、食後服用とすることで副作用を軽減している。


■ まとめ

・本症例は典型的な鉄欠乏性貧血

・鉄剤で便が黒くなる → 説明が必要(2:正)

・食後服用は消化器症状軽減のため(5:正)

・巨赤芽球性貧血ではない(1:誤)

・血栓塞栓症は鉄剤の副作用ではない(3:誤)

・血清鉄改善後も治療継続が必要(4:誤)

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