第110回薬剤師国家試験 問326 腎移植後の下痢と免疫抑制薬の管理

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■ 正解(誤っているもの)

3(メチルプレドニゾロン錠の中止を提案)

■ 背景:腎移植後10日目、免疫抑制3剤併用中

・タクロリムス(徐放性)
・ミコフェノール酸モフェチル(MMF)
・メチルプレドニゾロン

この時期は急性拒絶反応のリスクが最も高いため、免疫抑制薬の中止は極めて危険。

下痢はMMFの代表的副作用であり、頻度も高い。


● 1:口渇・尿量の変化を確認(正しい)

下痢が続くと脱水 → 腎血流低下 → 移植腎機能悪化につながる。

→ 水分状態・尿量の確認は必須。


● 2:MMFの血中濃度測定依頼を提案(正しい)

MMFは下痢の副作用が多く、血中濃度(MPA濃度)が高いと副作用が増える。

→ TDM(治療薬物モニタリング)を医師に提案するのは適切。


● 3:メチルプレドニゾロンの中止を提案(誤)

ステロイドは拒絶反応予防の重要な柱であり、移植後早期に中止するのは危険。

・拒絶反応の誘発
・免疫抑制の急激な低下

→ 下痢の原因でもなく、中止提案は絶対に不適切


● 4:半夏瀉心湯の処方提案(正しい)

半夏瀉心湯は、薬剤性の下痢・腹部不快感に使用されることがある。

免疫抑制薬との重大な相互作用もない。

→ 症状緩和目的の提案として妥当。


● 5:便培養検査依頼を提案(正しい)

免疫抑制中の下痢では、

・感染性腸炎(細菌・ウイルス)
・C. difficile感染

などの可能性もある。

→ 感染症鑑別のため便培養を提案するのは適切。


■ まとめ

・下痢の原因 → MMFが最も疑わしい

・免疫抑制薬の中止提案は危険(3:誤)

・脱水確認、TDM、感染症鑑別、漢方提案は適切

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