第110回薬剤師国家試験 問221 鉄代謝と検査値の読み方

解答・解説を見る

■ 正解

2、5

■ 背景:この患者の病態

・MCV低値(小球性)
・MCH、MCHC低値
・フェリチン著明低下
・TIBC上昇

→ 典型的な鉄欠乏性貧血

鉄欠乏では、貯蔵鉄(フェリチン)低下 → 血清鉄低下 → TIBC上昇という変化が起こる。


● 1:UIBCは基準値より低い(誤)

UIBC(不飽和鉄結合能)は、TIBC − 血清鉄で求められる。

鉄欠乏では、

・TIBC ↑
・血清鉄 ↓

となるため、UIBCは基準値より高くなる

→「低い」は誤り。


● 2:フェリチン低値 → 貯蔵鉄不足(正)

フェリチンは貯蔵鉄の指標

本症例では 4.2 ng/mL と著明に低下しており、貯蔵鉄が枯渇している。

→ 正しい。


● 3:トランスフェリン濃度は基準値より低い(誤)

鉄欠乏では、鉄を運ぼうとしてトランスフェリンが増加する。

→「低い」は誤り。


● 4:鉄剤は3価鉄として吸収される(誤)

経口鉄剤は腸管で2価鉄(Fe²⁺)に還元されて吸収される。

3価鉄(Fe³⁺)のままでは吸収されにくい。

→ 説明として誤り。


● 5:まず血清鉄が増え、遅れて貯蔵鉄が増える(正)

鉄剤を服用すると、

1)まず血清鉄が上昇
2)その後、余剰分がフェリチン(貯蔵鉄)として蓄えられる

という順序で改善する。

→ 正しい。


■ まとめ

・鉄欠乏性貧血では、フェリチン低下 → 貯蔵鉄不足(2:正)

・鉄剤服用後は、血清鉄 → 貯蔵鉄の順に改善(5:正)

・UIBCは上昇(1:誤)

・トランスフェリンは増加(3:誤)

・鉄は2価で吸収(4:誤)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA