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■ 正解
1、2
■ 背景:がん疼痛とオピオイドの適正使用
がん疼痛治療では、WHO方式がん疼痛治療法に基づき、痛みに応じて適切なオピオイドを適切な量で使用することが基本である。
また、医療用麻薬は身体依存は生じるが、精神依存(いわゆる中毒)を生じにくいことが重要なポイント。
講義では、医療従事者が誤解しやすい点を正しく伝える必要がある。
● 1:適切な量のオピオイドは生命予後に影響しない(正)
がん疼痛に対して、必要量のオピオイドを定期投与しても生命予後を短縮しないことが知られている。
むしろ、疼痛が十分に緩和されることで、
・ADLの改善
・QOLの向上
につながる。
→ 医療者が誤解しやすい点であり、講義で伝えるべき内容として適切。
● 2:精神依存のリスクは低く、使用を控える理由にならない(正)
医療用麻薬は身体依存・耐性は生じるが、がん疼痛治療において精神依存(いわゆる中毒)を生じる可能性は低い。
そのため、精神依存を恐れて使用を控えるのは誤りであり、講義で正しく伝える必要がある。
● 3:高度のがん疼痛で服薬を躊躇 → 弱オピオイドを提案(誤)
高度のがん疼痛には強オピオイドが適応であり、弱オピオイドでは不十分。
服薬を躊躇した理由(嘔吐など)を評価し、制吐薬の併用や剤形変更などで対応するべき。
● 4:高度の腎機能障害にモルヒネを推奨(誤)
モルヒネは活性代謝物(M6G、M3G)が腎排泄されるため、腎機能障害では蓄積しやすい。
→ 高度腎障害ではモルヒネは推奨されない。
代替として、フェンタニルなど腎排泄の影響が少ない薬剤を検討する。
● 5:突出痛に徐放製剤をレスキューとして使用(誤)
突出痛(ブレイクスルーペイン)には、
即効性のある速放製剤をレスキューとして使用する。
徐放製剤は血中濃度がゆっくり上昇するため、レスキューには不適切。
■ まとめ
・適切量のオピオイドは生命予後に影響しない(1:正)
・精神依存は生じにくく、使用を控える理由にならない(2:正)
・高度疼痛に弱オピオイドは不適(3:誤)
・腎障害にモルヒネは不適(4:誤)
・突出痛には速放製剤(5:誤)
