第110回薬剤師国家試験 問261 ボノプラザン/ラベプラゾールの作用機序の比較

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■ 正解

2、5


■ 背景:ピロリ除菌に使われる2種類の胃酸分泌抑制薬

一次除菌に使われる薬剤:

  • ボノプラザン(P-CAB:カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)
  • ラベプラゾール(PPI:プロトンポンプ阻害薬)

この2つは作用機序が全く異なるため、選択肢の正誤が明確に分かれる。


● 1 ボノプラザンは H⁺,K⁺-ATPase の発現を抑制(誤)

ボノプラザンは発現を抑制しない

H⁺,K⁺-ATPase(プロトンポンプ)に直接結合して阻害する薬。


● 2 ボノプラザンは胃酸による活性化を必要としない(正)

PPI(ラベプラゾールなど)は、

  • 酸性環境で活性化される
  • 活性化後にプロトンポンプと共有結合

一方、ボノプラザンは酸による活性化が不要で、 そのままプロトンポンプに結合して阻害する。

→ P-CAB の大きな特徴。


● 3 ボノプラザンは弱酸性で壁細胞に集積(誤)

これはPPIの特徴

PPIは弱塩基性で、酸性の壁細胞内に集積しやすい。

ボノプラザンは強塩基性で、PPIとは性質が異なる。


● 4 ラベプラゾールは K⁺ と競合して H⁺ 分泌を阻害(誤)

これはP-CAB(ボノプラザン)の作用

PPIであるラベプラゾールは、 K⁺と競合して阻害するわけではない。


● 5 ラベプラゾールは H⁺,K⁺-ATPase とジスルフィド結合を形成(正)

PPIの共通作用:

  • 酸性環境で活性化
  • 活性化体がプロトンポンプのシステイン残基と共有結合(ジスルフィド結合)
  • 不可逆的に胃酸分泌を抑制

→ ラベプラゾールも同様。


■ まとめ

  • ボノプラザン:酸による活性化不要 → 2 正
  • ラベプラゾール:プロトンポンプとジスルフィド結合 → 5 正
  • その他の選択肢は PPI と P-CAB の特徴を取り違えている

→ 正解は2 と 5

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