第110回薬剤師国家試験 問269 シクロスポリン併用時にピタバスタチンを避ける理由

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■ 正解

2(シクロスポリンがピタバスタチンの肝取り込みを阻害するため)


■ 症例の背景

ネフローゼ症候群でステロイド治療を開始 → 反応不良 → ステロイド抵抗性と判断。

そのため、免疫抑制薬シクロスポリンが追加されることになった。

ここで問題となるのが、併用中のピタバスタチンとの相互作用。


■ シクロスポリンとスタチンの相互作用の本質

シクロスポリンは、

  • OATP1B1(肝取り込みトランスポーター)を強力に阻害
  • CYP3A4阻害作用も持つ

ピタバスタチンは主に、

  • OATP1B1 による肝取り込みで作用部位(肝臓)へ移行
  • 代謝はCYPではなく主にUGT

→ つまり、シクロスポリンが OATP1B1 を阻害すると、

ピタバスタチンが肝臓に取り込まれず、血中濃度が大幅に上昇

→ 横紋筋融解症のリスクが急増する。

このため、ピタバスタチンはシクロスポリン併用禁忌となっている。


● 選択肢の検討

● 1 消化管吸収を阻害(誤)

シクロスポリンは消化管吸収には影響しない。

● 2 肝取り込みを阻害(正)

OATP1B1阻害 → ピタバスタチン血中濃度↑ → 横紋筋融解症リスク↑

→ これが併用禁忌の理由。

● 3 ピタバスタチンがシクロスポリン代謝を阻害(誤)

逆方向の相互作用はない。

● 4 尿細管分泌阻害(誤)

ピタバスタチンは腎排泄が主経路ではない。

● 5 尿細管再吸収阻害(誤)

これも無関係。


■ まとめ

  • シクロスポリンはOATP1B1阻害によりピタバスタチンの肝取り込みを阻害
  • 血中濃度が大幅に上昇 → 横紋筋融解症リスク増大
  • そのため併用禁忌であり、フルバスタチンへの変更が妥当

→ 正解は2

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