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■ 正解
1、3
■ 症例のポイント
68歳女性、ネフローゼ症候群が疑われ入院。
入院時の特徴:
- 低アルブミン血症(Alb 2.6 g/dL)
- 高度蛋白尿(3+)
- 浮腫あり
- 腎機能は保たれている(Cr 1.0 mg/dL)
- 高コレステロール血症あり(LDL 248 mg/dL)
治療開始:
- プレドニゾロン 40 mg/日(5 mg × 8錠)
- フロセミド 40 mg/日
- ピタバスタチン
1週間後、浮腫の改善が不十分 → 利尿薬の調整が必要。
● 1 ヒドロクロロチアジドの追加(正)
ネフローゼ症候群では、
- 低アルブミン血症 → ループ利尿薬の効果が減弱
- 浮腫が強い場合 → ループ利尿薬単剤では不十分
この場合、サイアザイド系利尿薬(HCTZ)を併用すると、 遠位尿細管でのNa再吸収を抑制し、利尿効果が増強される。
→ ループ利尿薬抵抗性浮腫への標準的対応。
● 2 プレドニゾロンの中止(誤)
ネフローゼ症候群の第一選択はステロイド治療。
治療開始1週間で中止する理由はない。
→ 不適切。
● 3 フロセミドの増量(正)
フロセミド 40 mg/日はやや少ない。
ネフローゼ症候群では、
- 低アルブミン血症により薬剤が尿細管へ届きにくい
- 浮腫改善には高用量が必要なことが多い
→ 80 mg 以上への増量を検討するのは妥当。
● 4 カルペリチドの追加(誤)
カルペリチドは急性心不全で使用。
ネフローゼ症候群の浮腫に使用する薬ではない。
● 5 ピタバスタチンの減量(誤)
ネフローゼ症候群では LDL が著明に上昇するため、 スタチン治療はむしろ必要。
→ 減量する理由はない。
■ まとめ
- 利尿効果不足 → ループ利尿薬増量(3 正)
- 併用で利尿効果増強 → サイアザイド追加(1 正)
- ステロイド中止は不適切(2 誤)
- カルペリチドは心不全用(4 誤)
- スタチン減量の必要なし(5 誤)
→ 正解は1 と 3
