第110回薬剤師国家試験 問215 ダカルバジンの代謝と活性本体

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■ 正解

4(D)

■ 背景:ダカルバジン(DTIC)はプロドラッグ

処方4のダカルバジンはプロドラッグであり、体内で代謝されて初めて抗腫瘍活性を示す。

主な作用機序は、代謝により生成するメチルカチオン(ジアゾニウムイオン)が DNA 塩基(特に N7-グアニン)をメチル化し、DNA の複製を阻害すること。

→ よって、活性本体はDNA と共有結合を形成できる求電子性の高い種である必要がある。


● A:初期代謝物(ヒドロキシ化体) →(誤)

肝臓の CYP により生成するが、これはまだ活性体ではない。

この後、分解して活性種を生じる前段階の化合物。


● B:ホルムアルデヒド →(誤)

代謝過程で生成するが、抗腫瘍活性の本体ではない。

DNA と共有結合を形成する能力はない。


● C:副生成物 →(誤)

代謝過程で生じるが、求電子性が低く、DNA アルキル化能はない。


● D:ジアゾニウムイオン(メチルカチオン) →(正)

ダカルバジンの代謝で最終的に生成する強力な求電子種

このメチルカチオンが DNA の塩基(特に N7-グアニン)をメチル化し、

・DNA 鎖切断

・複製阻害

を引き起こすことで抗腫瘍効果を発揮する。

→ よって、活性本体として最も適切なのはD


● E:イミダゾール誘導体 →(誤)

代謝後に残る安定な化合物であり、抗腫瘍活性はない。


■ まとめ

・ダカルバジンはプロドラッグ

・活性本体はジアゾニウムイオン(メチルカチオン)

・DNA の求核部位(N7-グアニン)をメチル化して作用

→ よって正解は4(D)

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