第110回薬剤師国家試験 問241 鉛中毒とヘム合成阻害部位

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■ 正解

2、5

■ 症例の毒性物質:鉛(Pb)

前問の情報より、この女児は鉛中毒と判断される。

  • 血中鉛濃度 75 μg/dL と高値
  • 尿中 δ-アミノレブリン酸(δ-ALA)高値
  • 赤血球遊離プロトポルフィリン高値

→ 鉛がヘム合成経路の特定酵素を阻害している典型像。


■ 鉛が阻害するヘム合成酵素

鉛は主に次の2つの酵素を阻害する:

① ALAデヒドラターゼ(δ-ALA → ポルフォビリノーゲン)
・図中の反応「2」に相当。
・阻害されると δ-ALA が蓄積 → 尿中 δ-ALA 上昇。

② フェロキラターゼ(プロトポルフィリンIX + Fe²⁺ → ヘム)
・図中の反応「5」に相当。
・阻害されるとプロトポルフィリンが蓄積 → 赤血球遊離プロトポルフィリン上昇。


■ 選択肢との対応

1:コハク酸CoA+グリシン → δ-ALA(δ-ALA合成酵素)
→ 鉛ではなく、主にビタミンB₆欠乏などで影響。

2:δ-ALA → ポルフォビリノーゲン(ALAデヒドラターゼ)
鉛が直接阻害する酵素 → 正解。

3・4:中間体の環形成・変換反応
→ 鉛による代表的阻害部位ではない。

5:プロトポルフィリンIX + Fe²⁺ → ヘム(フェロキラターゼ)
鉛が直接阻害する酵素 → 正解。


■ まとめ

  • 鉛中毒では、ALAデヒドラターゼ(2)フェロキラターゼ(5)が阻害される。
  • その結果、δ-ALA と遊離プロトポルフィリンが上昇する。
  • よって、図中で鉛により抑制される反応は2 と 5である。

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