第110回薬剤師国家試験 問270 イトラコナゾールと併用薬の相互作用機序

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■ 正解

5(ヘム鉄への配位結合による CYP3A4 の阻害)


■ 症例のポイント

患者は頭部白癬でイトラコナゾールが処方された。

お薬手帳には、

  • オルメサルタン
  • フェブキソスタット
  • ビルダグリプチン
  • ミグリトール
  • シンバスタチン

が記載されている。

→ この中で最も問題となるのはシンバスタチン

シンバスタチンはCYP3A4で代謝されるため、 CYP3A4阻害薬であるイトラコナゾールと併用すると、 血中濃度が著しく上昇 → 横紋筋融解症のリスク増大


■ イトラコナゾールの CYP3A4 阻害機序

アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ケトコナゾールなど)は、

ヘム鉄(Fe³⁺)に配位結合することで CYP3A4 を阻害する。

→ これが選択肢 5 の内容であり、正しい。


● 選択肢の検討

● 1 胃内 pH 上昇による溶解性低下(誤)

これは「イトラコナゾールの吸収が低下する」機序であり、 併用薬の副作用増強とは関係しない。

● 2 P-gp 発現量増加(誤)

セントジョンズワートなどの誘導作用の話であり、今回の相互作用とは無関係。

● 3 OATP1B1 競合阻害(誤)

スタチンの中でもピタバスタチンなどが関係するが、 今回の問題はシンバスタチン(CYP3A4代謝)であり不適切。

● 4 代謝物による CYP3A4 の不可逆的阻害(誤)

これはマクロライド系(クラリスロマイシンなど)の特徴。

● 5 ヘム鉄への配位結合による CYP3A4 阻害(正)

アゾール系抗真菌薬の代表的作用機序。

→ シンバスタチンの血中濃度上昇 → 横紋筋融解症リスク増大。


■ まとめ

  • イトラコナゾールはヘム鉄に配位結合して CYP3A4 を阻害
  • シンバスタチンは CYP3A4 代謝 → 血中濃度が大幅に上昇
  • 横紋筋融解症のリスクが高まるため併用注意

→ 正解は5

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