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■ 正解
5(ヘム鉄への配位結合による CYP3A4 の阻害)
■ 症例のポイント
患者は頭部白癬でイトラコナゾールが処方された。
お薬手帳には、
- オルメサルタン
- フェブキソスタット
- ビルダグリプチン
- ミグリトール
- シンバスタチン
が記載されている。
→ この中で最も問題となるのはシンバスタチン。
シンバスタチンはCYP3A4で代謝されるため、 CYP3A4阻害薬であるイトラコナゾールと併用すると、 血中濃度が著しく上昇 → 横紋筋融解症のリスク増大。
■ イトラコナゾールの CYP3A4 阻害機序
アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ケトコナゾールなど)は、
ヘム鉄(Fe³⁺)に配位結合することで CYP3A4 を阻害する。
→ これが選択肢 5 の内容であり、正しい。
● 選択肢の検討
● 1 胃内 pH 上昇による溶解性低下(誤)
これは「イトラコナゾールの吸収が低下する」機序であり、 併用薬の副作用増強とは関係しない。
● 2 P-gp 発現量増加(誤)
セントジョンズワートなどの誘導作用の話であり、今回の相互作用とは無関係。
● 3 OATP1B1 競合阻害(誤)
スタチンの中でもピタバスタチンなどが関係するが、 今回の問題はシンバスタチン(CYP3A4代謝)であり不適切。
● 4 代謝物による CYP3A4 の不可逆的阻害(誤)
これはマクロライド系(クラリスロマイシンなど)の特徴。
● 5 ヘム鉄への配位結合による CYP3A4 阻害(正)
アゾール系抗真菌薬の代表的作用機序。
→ シンバスタチンの血中濃度上昇 → 横紋筋融解症リスク増大。
■ まとめ
- イトラコナゾールはヘム鉄に配位結合して CYP3A4 を阻害
- シンバスタチンは CYP3A4 代謝 → 血中濃度が大幅に上昇
- 横紋筋融解症のリスクが高まるため併用注意
→ 正解は5
