第110回薬剤師国家試験 問280 nab-パクリタキセル(アブラキサン)の投与時注意点

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■ 正解

1、5


■ 処方1:アブラキサン(nab-パクリタキセル)の特徴

アブラキサンは、

  • アルブミン懸濁型パクリタキセル(nab-PTX)
  • 従来のパクリタキセルと異なり、ポリソルベート80やエタノールを含まない
  • そのため前投与(ステロイド・抗ヒスタミン薬)が不要
  • 溶媒反応性の過敏症が起こりにくい

→ これらの特徴を踏まえて選択肢を判断する。


● 1 投与前に好中球数・血小板数を確認(正)

アブラキサンの主な用量制限毒性は、

  • 好中球減少
  • 血小板減少

→ 投与前の血算チェックは必須。

特に Day1・8・15 の投与前に、 好中球1,000/μL以上、血小板75,000/μL以上が必要。


● 2 ヒト由来成分に対する過敏症予防の前投与(誤)

アブラキサンはヒト血清アルブミンを使用しているが、前投与は不要

理由:

  • 従来のパクリタキセルで問題となるのは「溶媒(ポリソルベート80)」
  • アブラキサンは溶媒を使用しないため、過敏症リスクが低い

→ 前投与は不要。


● 3 血管痛が出たら次回からブドウ糖液に変更(誤)

アブラキサンは生理食塩液で懸濁する製剤。

ブドウ糖液は使用不可。

→ 血管痛が出ても溶媒変更はできない。


● 4 インラインフィルターを使用して投与(誤)

アブラキサンはインラインフィルターを使用しない

理由:

  • 粒子径が大きく、フィルターで除去されてしまう可能性

→ 添付文書でも「フィルター使用不可」。


● 5 感染症伝播リスクの説明を確認(正)

アブラキサンはヒト血清アルブミンを使用した製剤

→ 理論上、感染症伝播リスクがゼロではないため、 患者への説明が必要。

(実際には高度に精製されており安全性は高いが、 添付文書上は説明が求められる。)


■ まとめ

  • 骨髄抑制 → 投与前の血算チェックは必須(1 正)
  • 前投与は不要(2 誤)
  • 溶媒は生食のみ(3 誤)
  • フィルターは使用しない(4 誤)
  • ヒトアルブミン製剤 → 感染症リスク説明が必要(5 正)

→ 正解は1 と 5

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