第110回薬剤師国家試験 問286 骨粗鬆症の病態と治療薬の注意点

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■ 正解

1、3

■ 背景:本症例のポイント

・67歳女性
・大腿骨近位部骨折(典型的な骨粗鬆症性骨折)
・YAM 65% → 明らかな骨密度低下
・血清Ca、P は正常

→ 典型的な原発性骨粗鬆症(加齢・閉経後)が疑われる。


● 1:原発性骨粗しょう症と考えられる(正)

高齢女性で、骨密度低下(YAM 65%)、大腿骨近位部骨折を認める。

血清Ca・P が正常であることから、副甲状腺機能亢進症などの二次性骨粗鬆症の可能性は低い

→ 原発性骨粗鬆症と判断するのが妥当。


● 2:Ca不足による石灰化障害が関与(誤)

血清Ca 9.6 mg/dL と正常。

骨粗鬆症は「石灰化障害」ではなく、骨吸収>骨形成のアンバランスが本態。

→ 石灰化障害(骨軟化症)とは異なる。


● 3:入院前は骨吸収が骨形成を上回っていた(正)

骨粗鬆症は、

骨吸収(破骨細胞)>骨形成(骨芽細胞)

の状態が続くことで骨量が減少する。

→ 骨折の発生、YAM低値からも明らか。


● 4:処方薬はいずれも横臥で服用可能(誤)

リセドロン酸(ビスホスホネート)は、

・起床時にコップ1杯の水で服用
・服用後30分は横にならない

という厳格な服用方法が必要。

→ 横臥での服用は不可。


● 5:エルデカルシトールはリセドロン酸の低Ca血症を増強(誤)

エルデカルシトール(活性型VitD)は、

・Ca吸収促進
・骨形成促進

を行うため、むしろ低Ca血症を予防する方向に働く。

→「増強する」は誤り。


■ まとめ

・本症例は典型的な原発性骨粗鬆症(1:正)

・骨吸収>骨形成の状態が続いていた(3:正)

・石灰化障害ではない(2:誤)

・ビスホスホネートは横臥服用不可(4:誤)

・エルデカルシトールは低Ca血症を増強しない(5:誤)

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