第110回薬剤師国家試験 問106 プレオマイシンA₂のDNA切断機構と金属配位能

解答・解説を見る

■ 正解

1

■ プレオマイシンA₂とDNA切断の基本事項

  • プレオマイシンA₂はブレオマイシン系抗腫瘍薬の一種で、DNA を切断する作用をもつ。
  • DNA 切断には、Fe(II) との配位 → 活性酸素種(ROS)の生成が必須。
  • 特に、イミダゾール・ピリミジン様構造などの金属配位部位が重要。
  • Mg(II) は DNA 切断には関与せず、主に酵素反応の補助因子として働く。
  • 光増感作用はプレオマイシンA₂の作用機序とは無関係。

■ 各選択肢の解説

● 1:部分構造アにおけるFe(II)との配位能(正)

プレオマイシンA₂が DNA を切断するためには、Fe(II) と配位して活性酸素種(•OH など)を生成することが必須。
部分構造アは、金属配位に適した含窒素複素環を含み、Fe(II) を強く結合できる。
この金属錯体形成こそが DNA 切断活性の中心であり、正しい記述。

● 2:部分構造イにおけるMg(II)との配位能(誤)

Mg(II) は酵素反応の補助因子として働くことが多いが、プレオマイシンA₂のDNA切断機構には関与しない
Mg(II) との配位は DNA 切断活性に必要ないため誤り。

● 3:部分構造ウにおけるMg(II)との配位能(誤)

部分構造ウは Mg(II) と配位するような官能基配置ではなく、DNA 切断に必要な金属配位部位でもない
したがって誤り。

● 4:部分構造エにおける光増感作用(誤)

プレオマイシンA₂の作用機序は光増感ではなく、Fe(II) 依存的な活性酸素生成である。
光照射を必要とするタイプの抗腫瘍薬ではないため、この記述は誤り。

● 5:部分構造オにおけるFe(II)との配位能(誤)

部分構造オは Fe(II) と強く配位する構造ではなく、主要な金属配位部位は部分構造アである。
したがって誤り。

■ まとめ

  • 1:Fe(II) との配位 → 活性酸素生成 → DNA切断(正しい)
  • 2・3:Mg(II) は作用機序に無関係(誤り)
  • 4:光増感作用は関与しない(誤り)
  • 5:主要な金属配位部位はアであり、オではない(誤り)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA