第110回薬剤師国家試験 問107 インスリンアナログの構造改変と持続吸収性

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■ 正解

2

■ インスリンアナログの持続化に関する基本事項

  • インスリンの等電点(pI ≈ 5.4)中性付近(pI ≈ 6.7)に近づけると、生理的 pH(7.4)で溶解度が低下する。
  • 溶解度が低下すると皮下で等電点沈殿が起こり、ゆっくり溶けて徐放化する。
  • この性質を利用した代表例がインスリングラルギン(Arg 追加)である。
  • アミノ酸置換により電荷バランスを変え、pI を調整するのが設計のポイント。

■ 各選択肢の解説

● 1:アナログ1(誤)

構造改変が等電点に大きく影響せず、皮下での沈殿形成が起こりにくい。
したがって持続吸収型にはならない。

● 2:アナログ2(正)

B鎖末端にArg を2つ追加することで、分子全体の正電荷が増加し、等電点(pI)が上昇する。
その結果、生理的 pH(7.4)で溶解度が低下 → 等電点沈殿 → 徐放化が起こる。
これは1日1回投与で安定した血糖降下作用を示す持続型インスリン(例:グラルギン)の典型的な設計であり、正しい。

● 3:アナログ3(誤)

アミノ酸置換はあるが、pI の変化が小さく、生理的 pH で沈殿を形成しない。
持続化の根拠が弱い。

● 4:アナログ4(誤)

脂肪酸付加型の構造であり、これはアルブミン結合による持続化の設計。
等電点沈殿による持続化ではないため、本問の条件には合致しない。

● 5:アナログ5(誤)

構造改変はあるが、pI を中性付近まで上昇させる設計ではない。
等電点沈殿による持続化は期待できない。

■ まとめ

  • 持続型インスリン(本問の条件)はpI を上げて沈殿 → 徐放化するタイプ。
  • アナログ2は Arg 追加により pI が上昇し、生理的 pH で沈殿 → 持続吸収となる。
  • 1・3・4・5 は pI 変化が不十分、または別の持続化機構のため不正解。

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