


解答・解説を見る
■ 正解
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■ インスリンアナログの持続化に関する基本事項
- インスリンの等電点(pI ≈ 5.4)を中性付近(pI ≈ 6.7)に近づけると、生理的 pH(7.4)で溶解度が低下する。
- 溶解度が低下すると皮下で等電点沈殿が起こり、ゆっくり溶けて徐放化する。
- この性質を利用した代表例がインスリングラルギン(Arg 追加)である。
- アミノ酸置換により電荷バランスを変え、pI を調整するのが設計のポイント。
■ 各選択肢の解説
● 1:アナログ1(誤)
構造改変が等電点に大きく影響せず、皮下での沈殿形成が起こりにくい。
したがって持続吸収型にはならない。
● 2:アナログ2(正)
B鎖末端にArg を2つ追加することで、分子全体の正電荷が増加し、等電点(pI)が上昇する。
その結果、生理的 pH(7.4)で溶解度が低下 → 等電点沈殿 → 徐放化が起こる。
これは1日1回投与で安定した血糖降下作用を示す持続型インスリン(例:グラルギン)の典型的な設計であり、正しい。
● 3:アナログ3(誤)
アミノ酸置換はあるが、pI の変化が小さく、生理的 pH で沈殿を形成しない。
持続化の根拠が弱い。
● 4:アナログ4(誤)
脂肪酸付加型の構造であり、これはアルブミン結合による持続化の設計。
等電点沈殿による持続化ではないため、本問の条件には合致しない。
● 5:アナログ5(誤)
構造改変はあるが、pI を中性付近まで上昇させる設計ではない。
等電点沈殿による持続化は期待できない。
■ まとめ
- 持続型インスリン(本問の条件)はpI を上げて沈殿 → 徐放化するタイプ。
- アナログ2は Arg 追加により pI が上昇し、生理的 pH で沈殿 → 持続吸収となる。
- 1・3・4・5 は pI 変化が不十分、または別の持続化機構のため不正解。
