第110回薬剤師国家試験 問282 シングリックス(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)の製剤特性

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■ 正解

1、4


■ ワクチンの構成(重要)

シングリックスは 2 つのバイアルから構成される:

  • ① 凍結乾燥抗原(gE抗原)  添加物:精製白糖、ポリソルベート80 など
  • ② 専用溶解用液(アジュバント)  内容:MPL(3D-MPL)+ QS-21 を含むリポソーム

→ この「リポソーム」が選択肢の判断ポイントになる。


● 1 専用溶解用液中の脂質粒子は内水層を有する(正)

専用溶解用液には、

  • リポソーム(脂質二重膜)
  • 内部に内水層(aqueous core)

を持つ構造が含まれる。

→ MPL と QS-21 を含むアジュバントはリポソーム製剤であり、 内水層を有するという記述は正しい。


● 2 ポリソルベート80は微生物発育阻止目的(誤)

ポリソルベート80は、

  • 界面活性剤(乳化・安定化)
  • 抗原タンパク質の安定化

が目的であり、防腐剤ではない


● 3 精製白糖は無痛化目的(誤)

精製白糖は、

  • 凍結乾燥製剤の安定化(保護剤)

が目的であり、無痛化とは無関係。


● 4 凍結を避けて 2〜8℃で保存(正)

シングリックスは、

  • 凍結禁止
  • 2〜8℃保存

が添付文書で明記されている。

→ 凍結するとリポソーム構造が破壊され、アジュバント効果が失われる。


● 5 血液中で徐々に分解して有効成分放出(誤)

これは徐放性製剤の説明であり、 ワクチンの作用機序とは異なる。

ワクチンは筋注後、抗原提示細胞に取り込まれ免疫応答を誘導する。


■ まとめ

  • リポソーム → 内水層あり(1 正)
  • ポリソルベート80は安定化剤(2 誤)
  • 白糖は凍結乾燥の保護剤(3 誤)
  • 2〜8℃保存、凍結禁止(4 正)
  • 徐放製剤ではない(5 誤)

→ 正解は1 と 4

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