第111回薬剤師国家試験 問9 芳香族性を示さない化合物

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■ 正解

3

■ 解説

芳香族性は、ヒュッケル則(Hückel rule)に基づき、以下の 3 条件をすべて満たす必要がある。

  • 環状構造である
  • 平面構造である
  • 4n+2 π電子(n=0,1,2…)をもつ

このうち 1 つでも欠けると芳香族性は成立しない。

■ 選択肢 3(シクロオクタテトラエン)が非芳香族である理由

シクロオクタテトラエン(COT)は 8π電子をもつ。 しかし 8 は 4n(n=2) に該当し、4n+2 を満たさない。

もし平面構造をとると反芳香族性となり不安定になるため、 実際にはいす型の非平面構造をとり、π共役が途切れる。

その結果、芳香族性を示さない(非芳香族)化合物となる。

■ 各選択肢の検討(正誤つき)

● 1:ピロール(芳香族)(誤)

N の孤立電子対が π共役に参加し、合計 6π電子。 4n+2(n=1)を満たすため芳香族。

● 2:チオフェン(芳香族)(誤)

S の孤立電子対が π共役に参加し、6π電子。 ピロールと同様に芳香族。

● 3:シクロオクタテトラエン(非芳香族)(正)

8π電子で 4n(n=2)に該当し、平面性を失うため芳香族性を示さない。

● 4:ナフタレン(芳香族)(誤)

縮合多環芳香族化合物で、10π電子。 4n+2(n=2)を満たす。

● 5:インデン(芳香族)(誤)

ベンゼン環+5員環の縮合環で、全体として 10π電子。 芳香族性を示す。

■ まとめ

  • 芳香族性には「環状・平面・4n+2π電子」が必須。
  • シクロオクタテトラエンは 8π電子で 4n に該当し、非平面構造 → 非芳香族。
  • したがって、芳香族性を示さないのは選択肢 3

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