第110回薬剤師国家試験 問214 ABVD療法で薬剤師が必ず押さえるべきポイント

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■ 正解

2、4

■ 背景:ABVD療法の構成

・A:ドキソルビシン(アントラサイクリン)

・B:ブレオマイシン(抗腫瘍性抗生物質)

・V:ビンブラスチン(植物アルカロイド)

・D:ダカルバジン(アルキル化剤)

それぞれに特有の毒性・調製上の注意があるため、薬剤師は治療前に必ず確認する必要がある。


● 1:ドキソルビシンは生食と混和不可(誤)

ドキソルビシンは塩化物イオンで分解するという事実はない

実際には、生理食塩液での希釈投与が可能。


● 2:ブレオマイシンは累積投与量で肺毒性に注意(正)

ブレオマイシンの最大の有害事象は肺線維症

特に、

・高齢者

・腎機能低下

・高濃度酸素投与

・累積投与量の増加

でリスクが上昇する。

→ 治療中は肺機能(SpO₂、呼吸苦、画像)のモニタリングが必須。


● 3:ビンブラスチンは血管外漏出しても継続(誤)

ビンブラスチンは壊死性(vesicant)

血管外漏出すると重度の組織壊死を起こすため、

・投与中止

・漏出部位の処置

が必要。

→「継続してよい」は完全に誤り。


● 4:ダカルバジンは光分解し血管痛の原因 → 遮光が必要(正)

ダカルバジンは光に不安定で、光分解により刺激性物質が生成し、

強い血管痛を引き起こす。

そのため、

・点滴バッグ

・輸液ライン

・三方活栓

など経路全体を遮光する必要がある。


● 5:ABVD療法は軽度催吐性(誤)

ABVD療法は中等度〜高度催吐性リスク

ドンペリドン頓用では不十分で、

・5-HT₃拮抗薬

・デキサメタゾン

などの予防的制吐療法が必要。


■ まとめ

・ブレオマイシン → 累積量と肺毒性に注意(2:正)

・ダカルバジン → 光分解で血管痛 → 遮光必須(4:正)

・ビンブラスチンは壊死性、ドキソルビシンは生食OK、ABVDは中〜高度催吐性

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